湯元は奥日光の奥座敷といわれ、古くから開かれた温泉場だ。
とはいっても、歓楽的な雰囲気はまったくなく、湖と緑に囲まれた静かな所で「国民保養温泉地」にも指定されている。温泉の泉質は、硫化水素泉で、硫黄のにおいがあり、いかにも温泉らしい湯である。ここから遠く光徳、中禅寺へも湯導管で湯を送っている。
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湯元では、温泉が自然湧出している。とくに街の北端、切込・刈込湖ハイキングコース入り口付近の、湯ノ平湿原の周辺から何ヶ所も温泉が湧いている。
主な泉源には、木製の小屋根がかけられていて、中に湯がたまっているのが見える。老舗の旅館は、自分の泉源を持っているので、小屋に旅館名がかかれているものもある。
泉源の周囲は、どういうわけか、ノリウツギの木が多い。
源泉から湿原を木道で渡ると、「温泉寺」という珍しい名の寺がある。これは、昭和48年に輪王寺によって建てられた寺で、以前、近くの薬師堂に安置されていた薬師寺如来が祀られている。この寺には、温泉が引かれており、一般の人も入浴することができる。
細く長い階段を登っていくと、温泉神社がある。この神社は、奈良時代に建てられたもので、大己貴命が祀られている。ここに伝えられている永正10年(1513)在銘の銅嗣は、国の重要文化財に指定されている。
湯ノ湖はその北東にある三岳火山の噴火によってつくられた、周囲2.8キロメートルの小さな湖である。金精道路を車で登っていくと、途中の展望台から湯ノ湖が望め、この湖がせき止め湖であることを実感できる。